知らないと恥!社会人なら絶対に押さえておくべきマナーとは?

敬語や言葉遣いに自信がない、やっぱちゃんとした敬語が使えないとヤバいっすよね、なんて思っている人は今回こそはちょっと頑張ってポイントをマスターしませんか。社会人なら絶対に押さえておきたい言葉づかいについて分かりやすくお話します。

----CONTENTS----

〇社会人に必須、最低限の敬語マナーを身に付けよう

謙譲語をマスターする
間違いやすい敬語の使い方

〇言葉の着替えをいくつ持っていますか?

目上の人に使っていいの?
感じの良い表現を身に付ける

〇まとめ

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社会人に必須、最低限の敬語のマナーを身に付けよう

社会人として絶対に押さえておくべきマナーはいくつかありますが、まず何と言っても「敬語」の知識はしっかり押さえて使えるようになりましょう。義務教育で勉強しているはずですが、使う機会がないとなかなか身に付きません。英語と同じですね。学生のときに再度勉強したり、新入社員研修でも必ず敬語の話は出てきます。それでもなかなか自信が持てないし、いざとなったら自分がいつも使っている言葉より、ちょっと丁寧に言っとけばいいだろうと我流になってしまいます。

聞いた伝言の確認もこちらからの提案も「あっ、〇〇でよろしかったですか」で済ませてしまう。ということになっていないでしょうか。


謙譲語をマスターする

就職活動でも社会人になってからも、自己紹介の機会は多くあります。
自分のことをいうときは謙譲語を使うのが基本です。
相手に対する尊敬語はまあまあ使えているのですが、謙譲語がしっかり使えている人は少ないように思います。

「わたしの名前は〇〇です。◇◇からきました。よろしくお願いします。」という挨拶を聞いた人事の方は、
「そう~〇〇さん、よく来てくれましたね~」と明るく迎えながら心の中では『はぁ~』とため息をついているに違いありません。

就職面接指導を受けている学生なら、さてさて、どこから改造しますか…「取りあえず、言葉遣いを改めて」ということになります。
「わたくし、〇〇と申します。◇◇から参りました。よろしくお願いいたします。」
こんなふうに、自分のことは謙譲語を使います。

「きのう渡した資料読んだ?」と上司に聞かれて、「はい、読みました」でよいでしょうか。職場の雰囲気や関係性でそれで問題ない場合もありますが、「はい、拝読いたしました」ときちんと答える場面もあるかもしれません。使い分けができているでしょうか。

例えば、見る→拝見する、聞く→拝聴する、読む→拝読する、受ける/受けとる→拝受する、借りる→拝借する等、「拝」が付けば謙譲語になります。自分の行動を低くして相手を間接的に高める丁重な言い方です。

以前、担当者のプレゼンテーションを聞いていて、若い人の発想も素晴らしいなと感心していたのですが、最後に「以上でございます。ご拝聴ありがとうございました。」と聞いて、椅子から転げ落ちそうになりました。映し出された最後のページにはデカデカと「ご拝聴」の文字が書かれていました。「ここはご清聴だろう~!」と突っ込みできる雰囲気ならよかったのですが…いや、先輩かだれかチェックしなかったの…?彼が恥ずかしいだけでなく、会社として恥ずかしい、ことになってしまいます。

間違いやすい敬語の使い方

そのような間違いはどうして起こるのでしょう。そもそも尊敬語と謙譲語の区別がしっかりついていないからです。何となく敬語のつもり(つもり敬語)を使っているからです。

間違いやすい敬語の例を挙げますので、最低限のマナーとして覚えましょう。

① 尊敬語と謙譲語を混同しない
(誤)受付で伺ってください。(受付で聞いてください。)
(正)受付でお尋ねいただけますでしょうか。
解説:伺うは聞く・尋ねる・行く・訪ねる の謙譲語。受付で聞くのはお客様(相手)なので、尊敬語を使うべきところ。
・下記はすべて正解で、尊敬のレベル(度合い)はほぼ同等に使えます。
  受付でお聞きください。
  受付でお尋ねください。
  受付でお聞きいただけます(でしょう)か。
  受付でお聞きくださいます(でしょう)か。
  受付でお聞き願えます(でしょう)か。
  受付でお尋ねいただけます(でしょう)か。
  受付でお尋ねくださいます(でしょう)か。
  受付でお尋ね願えます(でしょう)か。
  受付でお聞きいただけません(でしょう)か。
  受付でお聞きくださいません(でしょう)か。
  受付でお聞き願えませんで(でしょう)か。
  受付でお尋ねいただけません(でしょう)か。
  受付でお尋ねくださいません(でしょう)か。
  受付でお尋ね願えません(でしょう)か。

② 二重敬語を使わない。
(誤)このパンフレットをお持ちになられますか。
(正)こちらのパンフレットをお持ちになりますか。
(誤)お客様がおっしゃられたように
(正)お客様がおっしゃったように
解説:尊敬語は「お・ご~なる型」、「言葉が変わる型」、「れる・られる型」の3種類あります。二重敬語は「お・ご~なる型」と「れる・られる型」を両方一緒に使っているので、どちらかでよいということです。

・下記はすべて正解ですが、尊敬のレベル(度合い)は異なります。
こちらのパンフレットを持って行かれますか。→尊敬のレベルが低い
こちらのパンフレットをお持ちになりますか。→尊敬のレベルが高い

お客様が言われたように→尊敬のレベルが低い
お客様がおっしゃったように→尊敬のレベルが高い

こちらで食べられますか。→尊敬のレベルが低い
こちらで召し上がりますか。→尊敬のレベルが高い

③外来語に「お・ご」をつけない。
(誤)おビールにされますか。
(正)ビールになさいますか。
解説:ビジネスタイムの基本です。

④ 外部の人には自社の上司の(身内)に尊敬語を使わないで謙譲語を使う。
お客様に下記を言う場合:
(誤)課長は3時に戻られます。
(不適)課長は3時に戻ります。
(適)課長は3時に戻ってまいります。

解説:自分より課長のほうが上の立場であっても、お客様に対して課長のことを言うときは謙譲語を使います。「3時に戻ります。」は日本語としては正しいですが、敬語を使っていないので、お客様に対して丁寧な言葉遣いになっていないことになります。


言葉の着替えをいくつ持っていますか?

服装ならドレスコードがあって、最低限フォーマル、ビジネス、カジュアルの違いがありますね。皆さんも家でくつろいでいるとき、遊びに行くとき、会社に行くとき、会社関係で行事があるとき、身内の結婚式や法事のときの服装はそれぞれ、その場にふさわしいように違うものを選んでいるはずです。 言葉遣いにも同じように場面によって使い分けるのが社会人の基本マナーです。家族や友達との会話、学校で先生に質問するとき、社内会議で発言するとき、プレゼンテーション等改まった場で話すとき言葉遣いはいつでも同じですか?違っているはずですね。


目上の人に使っていいの?

職場での挨拶は「お疲れ様です」が一般的ですね。ときどき間違って「ご苦労様です」と言っていませんか。「ご苦労様です」は苦労かけるね~と上から目線ととらえられるので、使っていいのは社長だけ。社員は「お疲れ様です」を使います。

上司、先輩の指示命令に対して、「了解しました」なんて言ってないでしょうね。メールやラインでも気を付けましょう。この表現も上から目線。先輩があなたの報告に対して「了解」と言うのです。あなたは先輩や上司の指示や連絡に対して、「承知いたしました。(かしこまりました)」が適切な言葉遣いです。

感じの良い表現を身に付ける

クッション言葉を効果的に多用する。
 ここにお名前を書いてください。
 →恐れ入りますが、こちらにお名前をお書きいただけますでしょうか。
解説:クッション言葉とは下記のような言葉です。いきなり「お名前を書いてください」というより、
「恐れ入りますが」を頭につけて言うと、柔らかく丁寧な印象になります。
顔の見えない電話応対で多用すると感じの良い印象を与えます。適切に使えるようにしましょう。

   失礼ですが~
   恐れりますが~
   お手数ですが~
   あいにく~
   申し訳ございません~
   よろしければ~
   お差し支えなければ~

②命令形ではなく、依頼形で言う。
 しばらくお待ちください。
→少々お待ちいただけますでしょうか。
解説:~ください。は言葉遣いは丁寧でも意味は命令しているのと同じです。
~いただけます(でしょう)か。~くださいます(でしょう)か。~願えます(でしょう)か。
と依頼形にすると謙虚にお願いしている雰囲気になります。

③否定文でなく、肯定文を使う。
  わかりません。
 →わかりかねます。
  できません。
 →いたしかねます。
  応じられません。
 →応じかねます。
解説:これは決まった言い方なので、覚えましょう。ときどき「わかりかねません」なんて言ってる人がいます。混乱しないように正しく使えるようにしましょう。

④よい印象を残す「あとよし言葉
  品質には間違いございませんが、お取り寄せに時間がかかります。
 →お取り寄せに時間がかかりますが、品質には間違いございません。
解説:お客様のデメリットになることを先に、メリットになることを後に言うということ。その方が、最後に聞いた言葉がより印象に残るからです。話し言葉の場合です。直近に聞いたことの近接効果と言われるものです。

書き言葉の場合は書かれたものを見るので、最初の印象が重要です。最初に良いことが目に入るようにメリットを先に述べた方がよいですね。初頭効果と言われています。

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まとめ

敬語は実際、難しいですね。場合や人間関係等いろいろなことが関係した生きたコミュニケーションの中での話なので、考え過ぎると訳が分からなくなります。しかし、今日お話した程度は社会人の基本マナーとして正しく使えるようになっていただきたいです。

文章の間違いは添削できますが、話し言葉は『敬語の使い方が間違っているよ、変だよ』と思っても、内容に意識が向いていると指摘されずに通り過ぎてしまいます。しかし、『そんな言い方も知らないのか』と思われているかもしれません。正しく使えないと恥ずかしいですね。 でも、内容が伝わっているならよいのでは、と思うかもしれませんが、その内容を話している人に対して信頼できなければ元も子もありません。相手から好感を得られ、信頼の絆づくりにつなげるために基本となる言葉遣いを身に付けましょう。

現在新大阪を中心に関西各地で秘書検定の講座や個人指導を実施しています。

秘書検定筆記・面接試験指導歴30年以上、
秘書検定準1級面接審査員歴20年以上、
現在秘書検定実施運営委員 
岸本隆子